【矯正①|1年5か月後】動かない前歯にリンガルボタンを装着!ゴムで牽引した2週間の変化
目次
マウスピース矯正開始から1年5か月。なかなか動かない前歯への対応
今回は、前歯のガタガタとした歯並びを改善するため、マウスピース矯正を行っている40代女性の患者様の治療経過をご紹介します。
前回の記事では、治療開始から1年3か月が経過し、右上の側切歯(前から2番目の歯)の位置とねじれを改善するため、2回目の追加アライナーを作製したところまでをご紹介しました。
治療経過はこちらからご覧いただけます。
→【1年8か月後│矯正終了時】
2回目の追加アライナーでは、12枚のマウスピースを使用して治療を進めました。
しかし、右上の側切歯はなかなか計画通りに動かず、マウスピースだけでは十分な改善が得られない状態でした。
そこで今回は、リンガルボタンという小さな装置と矯正用のゴムを併用し、歯を前方へ引き出す治療を行うことにしました。
なぜ右上の側切歯は動きにくいのか?
今回の患者様は、右上の側切歯がもともと口蓋側(上の歯の内側)に位置しており、隣の前歯の裏側に重なるように生えていました。
さらに、歯の向きにもねじれがあるため、単純に前方へ移動させるだけでなく、回転させながら正しい位置に誘導する必要があります。
マウスピース矯正では、透明なマウスピースで歯を覆い、少しずつ力を加えて歯を動かしていきます。
しかし、側切歯は中切歯と比較して歯が小さく、マウスピースで保持しにくい場合があります。
特に今回のように、歯を前方へ移動させる動きと、歯のねじれを改善する回転移動を組み合わせる場合は、計画通りに動かすことが難しくなることがあります。
そのため、2回目の追加アライナー終了時にも右上の側切歯の移動が十分ではなく、治療方法を一部変更することにしました。
リンガルボタンとゴムを使って歯を引き出すことに
今回は、3回目の追加アライナーを作製する前に、右上の側切歯をさらに前方へ移動させるため、リンガルボタンを使用することにしました。
リンガルボタンとは、歯の表面に接着する小さなボタン状の矯正装置です。
この装置に矯正用のゴムをかけることで、マウスピースだけでは加えにくい方向にも力を加えることができます。
今回は、頬側(歯の表側)と舌側(歯の裏側)にリンガルボタンを装着し、ゴムによる牽引を行いました。
- ※リンガルボタンを頬側・舌側に装着したところ

歯を動かす方向を考えながらゴムで力を加え、内側に入り込んでいる右上の側切歯を前方へ引き出していきます。
マウスピース矯正というと、マウスピースだけですべての歯を動かすイメージがあるかもしれません。
しかし、歯の位置や動かしたい方向によっては、今回のように補助的な装置を組み合わせることで、歯の移動を進める場合があります。
ゴムで牽引して2週間。前歯に変化が見られました
リンガルボタンを装着してから、約2週間ゴムによる牽引を行いました。
その結果、なかなか前方へ移動しなかった右上の側切歯に変化が見られ、以前よりも前方へ移動してきました。
2回目の追加アライナーが終了し、ゴムをする前の歯並びと、ゴムかけをして2週間後の写真を見比べてみます。
- ※追加アライナー終了直後の写真

- ※ゴムによる牽引開始から2週間後の写真

マウスピースだけでは移動が難しかった歯も、力を加える方向や方法を変えることで、歯の動きに変化が見られ、捻じれもかなり改善しました。
ここまでくれば、あとは仕上げの段階です。
歯の位置や向きを調整し、隣の歯と自然につながるきれいな歯列のアーチを目指していきます。
マウスピース矯正でも補助的な装置が必要になることがあります
マウスピース矯正は、透明で目立ちにくく、患者様ご自身で取り外しができることが特徴です。
一方で、すべての歯の移動がマウスピースだけで計画通りに進むわけではありません。
特に、歯の回転や大きな位置の移動など、難しい動きが必要な場合には、追加アライナーの作製や補助的な装置の併用を検討します。
当院では、最初に立てた治療計画だけにこだわらず、実際の歯の動きを確認しながら、必要に応じて治療方法を調整することを大切にしています。
3回目の追加アライナー作製へ
治療開始から1年5か月が経過し、右上の側切歯も少しずつ改善してきました。
今回、リンガルボタンとゴムを使用したことで、これまで動きにくかった側切歯を前方へ移動させることができました。
3回目の追加アライナーを作製し、側切歯の位置を最終位置に移動させることにしました。
これが最後のマウスピースになります。
これまでの治療経過
治療経過はこちらからご覧いただけます。
→【1年8か月後│矯正終了時】
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